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【VOL.33】身のまわりのモノ作り [2008/02/16](横山 容子)

(2007/04/01 その他のメンバー )
今年、娘が無事、成人式を迎えました。

昨年末には、「前撮り」と言われるあらかじめの写真撮影会がありました。
朝からメイクだ、ヘアーだ、着付けだとてんやわんやの末、たどり着いた撮影会場。

湘南平にある別荘、その撮影現場に足を踏み入れて驚きました。
倉俣史朗さんの椅子が無造作にあちこちに点在しているではありませんか。

「Just in Time」という時計が壁にかかり、「How High the Moon」に座ってパチリ、
記念写真の椅子が「How High the Moon」、これってなかなかないでしょう?

オーナーである女主(尊敬をこめて)の方が熱狂的な倉俣史朗さんのファンでコレクターだったのです。
倉俣史朗さんの私設ミュージアムといった趣です。

思いもよらないこの状況に心ワクワク、ドキドキ、あれこれと伺っているうちに、とっておきのお宝部屋にも案内していただきました。 その部屋には、なんと世界に56脚しかないという「ミスブランチ」があったのです。
サッカーの中田英寿選手がなんとか手に入らないか探しているという、あの、深紅のバラがアクリルの中に閉じ込められている椅子です。

―――アクリルの断面が永遠であり、一瞬であり。
官能的であり。冷酷なようでもあり。


そして、もうひとつ気にかかる椅子。
デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンエイトチェア、(通称The Lily)もお宝部屋にありました。
ゆりのはなびらのごとくに三次元曲面の美しい椅子です。

建築家として設計はもちろん、内装、家具、照明、ファブリックから食器までトータルにデザインを手がけたヤコブセン
つねづね、摩天楼からフォークまでデザインし尽くせるデザイナーを尊敬する私としては、あこがれの人でもあります。
ちょっと、オールマイティすぎるぞ!と茶々を入れたくなるくらい。
デザインに対するその膨大なエネルギーに立ちくらみます。


だが、しかし、せめてその精神だけは実践しようと、しばらくお蔵入りとなっていた我が家のダイニングテーブルの脚のデザインに取り掛かりました。

板材は米杉、3000×950、厚さ95mmという存在感たっぷりの年代物。
スチール脚以外でこの重量をささえ、ホームセンターで調達できる材料で作る、ということが条件です。

さてさて、倉俣史朗の「夢見心地」の浮遊感にも、北欧のシンプルモダンにも程遠いけれど空間に負けない威風堂々のダイニングテーブルが作れたかな?

半割コンクリートブロックと木材は幅木止め用などに使う接着剤にて固定。
床とブ ロック、天板とブロックの間は滑り止めゴムシートをはさみ、少々の押す力では、ず れないよう工夫した。
天板と脚の木材の色味を合わすべきか思案中。

このテーブルに合わせて、秋岡芳夫さんの「あぐらがかける男の椅子」置いてみた~ い。

美しいモノを見た後の機動力は、映画を見た後の主人公なりきり度と匹敵するくらいの力がある
ということを実感した次第です。

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