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VOL.97 「旧モーガン邸」と子どもとの関わり [2007/01/06]

関口佐代子 関口佐代子一級建築士事務所 | 関口 佐代子
↑プロフィールは写真をクリックしてください。



昨年も子ども達と住まいやたてものやまちを一緒に考えて来ましたが、その中で「歴史的建造物」と子どもとの関わりについてご紹介します。

昨年夏休みに、藤沢市にある「旧モーガン邸」を探検する「たてもの探検隊」というワークショップを開催しました。この旧モーガン邸は、アメリカの建築家、J・H・モーガンが大正9年に来日し、その後日本で建築家として作品を残した時期に過ごした自邸です。モーガンは、多くの銀行や学校などの建物を手がけ、横浜をはじめ各地に住宅もたくさん設計したそうです。

この藤沢市大鋸にある自邸は、6,600平米の森のような木々に囲まれた素晴らしい丘に建っています。
建物は、日本風なエッセンスが西洋館に散りばめられている、趣きのあるもので、細かい部分についつい見入ってしまいます。このように素敵な建物を子ども達にも味わってもらおうというのが探検隊の目標です。

ただ説明を聞いて、見てまわるのではつまらないので、子ども達にはひとりずつ「未完成のガイドブック」を持ってもらいました。
そこには、例えば「旧モーガン邸はどのくらい古いでしょう?」という質問に選択肢が、「建ってから50年、75年、100年」と三つあります。建物を見て廻るとどこかに答えがあるのですが、そんな質問に○をつけていくと、旧モーガン邸のオリジナルガイドブックが完成!そして今度は君が知らないお友達に紹介してあげられるよ、となります。
(ちなみに問題の答えは築75年。昭和6年に建てられました。)

この他にも「この建物やお庭でやってみたいことは?」「気に入った照明器具は?」など。
それぞれが考えて書いてもらう設問もあり、出来上がったガイドブックには楽しい回答がたくさんありました。「夜きもだめしをしたい」「お庭でキャンプをしたい」「花火がしたい」など、夏休み中だったこともあり、広くて木々に囲まれたお庭が印象的だったようです。




普段は一般公開されていない貴重な建物ですが、保存運動されている地域の方々などのご協力もあり、このような機会が持てました。子どもだけではなく、大人達も楽しみながら勉強になったいちにちでした。





「歴史的建造物」と呼ばれる建物は、その価値や保存状態などから、子ども達に開放するというのは、リスクも考えると難しい面もあると思われます。今回も建物に入る前に「戸棚を開けない、椅子に座らない、壁から離れて歩く」などの注意事項を説明して、スタッフが少人数の子どもを連れて入る形を取りました。配慮をしながら、またチャンスがあれば今後もこのような数少ない空間を体験できる「探検隊」を続けていきたいと思います。



 
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